平和の使者

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荒れた大地、生きる気力を失った人々。 老婆の横で子供が生き倒れ、うつ伏せになっている。 老婆は悲しみに嘆き、隣人は次は自分達だと嘆く。 僕は持っていた最後のパンと、最後の水を老婆に渡した。 老婆は子供に水を飲ませる。 子供はゆっくりと水を飲み息を吹きかえした。 この老婆の行いこそが世界に真に必要なことだと僕は思う。 持っているなら分け与え、自分より弱者を守り、それを繰り返すことで世界は正しく廻る。 正常な世界の歯車を狂わせる物が無ければだが。 砂が舞う荒野を歩く僕の前に、狂わせる物が現れる。 いや、例えるなら真の巨悪の剣が僕を滅ぼすために来た。
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