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風邪(翔×心咲)
「もしもし雄大?悪いな頼むぞ」
隣で聞こえる心咲の声をボーッとした頭で聞き流す翔は、ベットに横になり苦し気に唸っていた。
翔は、風邪を引いてしまったらしい
「さーてお前が風邪を引くなんてな、今日は槍でも降るんじゃないか?」
なんて、嫌味を言う心咲
「何それ、俺って馬鹿って事?」
ハァと、溜め息混じり言い返す翔だが
やっぱり声に力が入らない。
「取り合えず、仕事は雄大に頼んどいたし
俺は仕事行くからな」
そう言う心咲は、学校の先生なのだから仕方無いのだが
「えー看病してくれないの?」
なんて泣き声を出してしまう。
翔も、風邪なんて殆ど引いた事がないのだから仕方無い
弱気になってしまう。
「仕事なんだ仕方無いだろ?それに風邪移されても困るしな」
心咲はツレナクそう言うと、スタスタと部屋を出て行ってしまった。
恋人なんだから、もう少し優しい言葉が有っても良いじゃないかと
翔は、更に悲しくなってしまう。
玄関から聞こえる
「ちゃんと寝てるんだぞ!」
と言う、心咲の声に
「う゛~」
と、翔は声にならない返事を返した。
続いてバタンと玄関の扉が閉る音
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