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「そうだね、じゃあ心咲は変わりに俺の幸せを願ってよ」
冗談混じりの、そんな翔のセリフに
「はいはい、ほら十秒前だぞ」
と、話を反らす心咲
随分タイミングが良いなぁと思い
翔も、自分の時計を確かめる。
「心咲、十五秒前だよ!」
「はいはい、細かい事言うな」
そんな事を言いながら、時計の針を見詰める心咲
翔も、心咲の時計を見詰める。
「おい、自分のを見ろよ」
「良いじゃん」
「近いんだよ!」
そんな、やり取りをしている内に
時計の針は、静かに時を刻む
カチリと、長針が短針と重なった。
「「あっ」」
そう、お互い声を出し
「明けましておめでとう、心咲
今年も宜しくな」
そう、心咲に笑いかける翔
「ああ、此方こそ宜しく」
と、心咲も返事する。
「さて、年をとったら最初に何をする?」
突然の、翔の言葉に
「雄大と朱里にメールする」
当たり前の様に言う心咲
「心咲ぃ!ここ神社だし
俺たちここに何しに来たんだよ!」
そんな心咲に
翔は、すかさず突っ込むんだ。
「冗談だ、お参りする」
そう、苦笑して
再び神社に手を合わせる心咲
目を瞑る。
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