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顔を上げれば、数学担当の長島先生と目が会う。
どうも心咲は、彼に嫌われている様で
ことある事に嫌味を言われるのだが
確かに、学校でまで律儀にしてなくたって翔にはバレないのだ。
外しても問題はない。
「そうだ金田先生、今晩はお暇かな?」
そう訪ねられ
「ええ、まぁ…
特に用事は」
無いと思う
「そうか、良かった
たまにはどうだね?一緒に呑みに行かないか」
「は?」
長島のセリフと、ポンと肩に置かれた手
驚き彼を見つめる心咲
「私とは嫌味かな?」
何も言わない心咲に、長島は怪訝そうに眉を寄せる。
「いえ、飛んでもない
是非とも」
そんな長島に、慌てて返事を返す心咲。
折角、声をかけて頂いたのだし
それに、嫌われている訳では無い様で、安心した。
「では、また帰りに声を掛けるよ」
そう言って、心咲から離れて行く長島に
「あーあ、心咲先生行かなきゃ良いのに
絶対、嫌味言う為よ
心咲先生が理科担任なのにスポーツも得意だからって僻んでるんだわ」
隣の宮前は、心咲にそう耳打ちして寄越した。
心咲は
アハハ
と、乾いた笑いしか出ない
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