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そうか、嫌味を言うために呼ばれたのか
最悪かも知れない…
下校時刻も過ぎ、心咲の仕事が片付いた頃
「金田先生、帰れますか?」
そうタイミング良く声をかけて来たのは、長島で
「ええ」
心咲は、返事をし
電源が落ちたのを確かめ、PCを閉めた。
「ああ、長島先生に心咲先生」
立ち上がる心咲を引き留めたのは、隣の席の宮前
「はい?」
心咲は、返事を返し
宮前を見る。
彼女は、何やら鞄を漁り
包みを取り出すと
心咲と長島にそれを差し出した。
何だろうと不思議に思いつつも
ソレを受け取る心咲は
「今日は、何かの記念日でしたか?」
あんまりにも気になり、声に出してしまった。
途端
アハハと、声を上げ
笑い出してしまう宮前に
長島にも、フッと鼻で笑われ
「え?何ですか!?」
吃驚しつつ
心咲は、長島と宮前を交互に見る。
「いや、本当に可愛いですよね心咲先生は
そういうの疎そうだし」
そう笑いを押さえる宮前に
「金田先生はカレンダーを見ないのかね?
今日は2月14日だ」
そう冷静に言う長島
心咲は、そう言えば何か甘ったるい響きを感じる。
2月14日
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