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「あー！！」
思わず声を上げ、口を押さえる心咲。
しまった
２月１４日
バレンタインデーを忘れるなんて
翔が泣くかも知れない。
「金田先生、行きましょうか
店を予約して有るので」
そう言って、歩き出す長島に
心咲は、やや混乱した頭で付いて行く
今さら断れそうにない
予約したって言うし
人数とかで予約したんだよな？
そう考え、溜め息混じりに携帯を開くと
迷いつつも翔に『今日は遅くなる』と、メールを打った。
「どうしました？
そんな俯いて
私の隣に並んで歩くのは、そんなに嫌ですかね」
そう、声を掛けられ
「いえ、すみません
同居人にメールを
心配すると悪いし」
心咲は、慌てた様に返し
長島の隣に並ぶ。
「ほーう、同居人
未婚なのに？女ですか？」
そう、何処か不審げな目線を寄越す長島に
「違いますよ、弟です
弟」
笑って誤魔化す心咲は、冷や汗混じりになる。
長島相手だと緊張し、らしくもなく口を滑らせてしまい
更に混乱してしまう。
「そうですか
まぁ、女が居たらバレンタインデーを忘れたりしませんよね」
「そうですよー」
アハハ
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