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花松先輩はそう言って僕にマフラーを手渡した。
それを受け取るときに先輩の手に触れ、反射的にマフラーを落としてしまい、しゃがみ拾う。
「あ、すみません」
「あー!」
そこに後ろから大きな声が聞こえ振り返ると、鍵を返してきた三上くんが花松先輩を指差し固まっている。
「ちょい、春先輩っ。ゆずはと何やってんですか」
「いや、真っ暗なのに帰ってこないから買い出しのついでに迎えに来たんだけど?」
はい、ゆずは。としゃがんでいる僕に先輩が着ていたコートを羽織らされる。
大きなコートには先輩の体温が残っていて温かい。
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