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あれから三年、私たちの関係は何が変わったのかな?
「そういえば、おばさんから聞いた。進路の希望、変えたって」
「うん、ちょっとね」
「同じ大学に美雨が入ってくれれば、中距離じゃなくなるのに」
ねえ、チサ。
本当にそう思ってる?
変わらずに私を好きでいてくれてる?
聞けない言葉に腹が立って、ブランコを漕ぐ力をさらに強くする。
満月が二人を照らしてくれてるのに、光は影を濃くはしてくれない。
「いいじゃん、私の頭じゃムリあるって」
「頑張れよ」
勢いが付いたブランコの手を離して着地する。
一拍してチサと向き合う。
「千里君、これ返す。婚約解消?」
チサは呆けているけど、私はずっと考えていた。
この三年間で私たち何が変わったのかな?って。
私は変わらずチサが好き。
でも、チサは違うよね。
一歩ずつチサに近づく。
「もうママゴトに付き合う必要ないんだよ?」
「何言ってんだよ?」
手にしていたリングをチサの胸に押し付けた。
「もう終わりって言ってんの!田中優香、中島玲奈、加藤美姫、私の友達の牧瀬ナツメ。今まで付き合ってきた彼女でしょ?知らないと思った?私重たかった?私は何か変わったわけじゃないっ。変わらず好きでいようと思ったし、努力したかった!でももうこの指輪も約束も重いんだよ」
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