プロローグ

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遡ること十年前_________ 季節は秋 小学一年生のある日の事だ。 俺と友達、合わせて六人でだだっ広い公園の中で隠れん坊をしていた。 「うーん、どこか良い場所ないかなぁ~~」 俺は独り言を呟きながら公園で見つからなさそうな所を探していたのだが、この公園の隣は森なのだが、俺はそこに迷い込んでしまったらしい。 俺は一旦足を止めて辺りを見渡すと、景色全体が木で覆われていた。 どこもかしこも同じ景色で、公園がどこなのかまったく分からない。 「ど、どうしよ……」 必死に冷静さを保ち小さな脳を回転させる。 そして俺はある案を思いつく。 早速実践しようと、そこら辺から適当な長さの木の棒を拾った。 そして、その木の棒を杖のように縦にする。 「よし、頼むぞっ」 そう言って、俺は木の棒を離した。 当然棒はバランスを崩し、地面に呆気なく倒れ伏す。 「うっし、右だなっ」 俺の案はそんな大層なものじゃない。 ただ単に木の棒が倒れた方向に向かって進んでいくという完全運任せの子供の考えそうな案だ。 まぁ子供だけど。 何故この案をチョイスしたかと言うと、最近アニメで、トラエモンがこんな道具を持っていたからだ。 子供の頃の俺はアニメにかなりの信憑性を持っており、影響を受けやすかった。
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