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「リュウジ。何してるの?」
雨の強い夜だった。本部近くのコンビニまで陳に使いっぱしりにされたリュウジは思わぬ仲間を連れ帰ってきた。
「ゴリサキか。いやぁ…何かほっとけなくってさ」
リュウジがタオルで必死に拭いていたのは小さな猫だった。
「もぉーリュウジぃ」
「だってこんな雨の中ずぶ濡れで鳴いてたんだよ?ほっとけないでしょ」
「でもでも…」
ゴリサキはおろおろと狼狽する。
リュウジはそんなゴリサキをため息まじりに見ながら、鳴き声をあげる子猫の体を丁寧に拭いていた。
すると高く上機嫌な足音が廊下に響いた。
「おーいリュウジ!ジャンプ買ってきてくれたかって…お前……」
陳は目を見開きリュウジの手元を凝視した。
「雨でずぶ濡れになってたからとりあえずつれてきただけです。雨が止んだらちゃんと元いた場所に戻しに行きます」
リュウジはおそらく大騒ぎするであろう陳に先手を打ち説明したが、リュウジの説明が終わる頃にはすでに陳が騒ぎはじめた。
「いいじゃねえか猫!飼おうぜ本部で!!」
「はぁ!?」
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