一章 『首切りクラウリー』

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一章 『首切りクラウリー』

視界は真っ赤な花火の様な、花のような光景。 止まない雨のように滴る赤い涙。 少し螺子の外れた其れ 狂気にあふれた其れを奇異の目で見てくる同種の首を跳ねてはねてハネテ。 泣き叫ぶ赤子でさえ跳ねてはねてハネテ。 此はごく単純なゲーム。 其れが全て首を跳ねるか、其れの首を誰かが跳ねるか。 受け告げられるまで続く。 雑音を裁ち切るナイフ 静寂 悪意は循環して其れに廻って純水になる。 赤い赤い景色。透明の血が瞼から滴る。 未来を奪い、首を奪い。罪悪感が快感に上手く跳ねる術をしる。 残酷に魅せられた愉快な見世物。 悪夢のようで良夢 断片のイメージ、真実、記憶。 救えないなら関わるな狂っていないなら関わるな。 勇気は無謀に変えられて、強いものは弱いものに滅多刺し。 ああ、こんなに愉快な気持ちじゃないか 笑ったらいい そうだ 【笑 え】 懺悔をしなさい。 其の首を差し出して とある、夢の住人となった其れの破壊は永久に続いている。 【〈あーこいつら跳ねるの飽きてきた。〉】 〈さあ、君にきっかけを与えましょう〉 と、隣の世界の誰かが言ったような気がした。
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