小さな角少女ルー

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「此処は私を助けてくれた村だから、引いてくれない?」 この要求は賭けだ。同族意識が強いという習性から導き出した憶測。 恩がある人には手を出さない。 外れていたら私以外の村人は全員殺されてしまう。 「……」 返答はなし、無言は肯定の証とかいう言葉が有ったが、その言葉を全力で否定したい気分だった。 「チビ、聞きたい事がある。」 「……なに?」 チビと称された事などどうでも良かった。ただ早く帰って欲しかった。 「この村の人間は良い奴なのか?」 「……はい?」 あっけらかんとした態度の鬼に緊張の糸が切れた。
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