日常の変化

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 「ああ、君に会いに来た。君には素質があるみたいだからね。単刀直入にいうと、君を連れて来いと命令されたんだ」  俺をつれて来い? 俺何か悪い事したっけ……      覚えはないけどな。それとも違う理由か?     ……どちらにしても”ああ、そうですか、わかりました”なんて、のこのこついていく訳にはいかない。連れてかれたら何をされるかわかったもんじゃない。どうにかして逃げる方法はないか…… 「……できれば逃げようとはしないでほしい。素直についてきてくれれば悪いようにはしないから」  やっぱり読まれてるな…… 無理に逃げようとしても駄目か。 ここは真正面から行くしかないか……  「悪いが、ついていく訳にはいかない。なにより情報が少なすぎる。どこに連れて行くかも、その目的もわからないままでついてはいけない」  明らかにやつの表情が曇った。やつからすれば素直についてきてほしかっただろう。……でも、そうはいかない。行っても、行かなくても俺は危険に晒されるんだ。取れる情報は取っておかないと。  「……そうか。じゃあ仕方がないな。力づくで連れて行かせてもらう。君に言うつもりはないが、俺にもいろいろと事情があるんだ。君が聞きたいことは向こうに行ったら教える」
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