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ーー4月1日ーー
PM23時58
駅のホーム…
終電の電車から降りて溜め息吐く。
家庭の事情で家を出ることになった女子高生が一人。
平日のこの時間は人も疎らでとても静だ…。
なんとなくホームに立って終電の電車を見送った。
彼女は今16歳…9年前に両親を事故で無くしそれからは親戚の家を転々とする生活を送っていた。しかしその生活も終わった。
寮のある高校に転校したからだ。理由は後々…。
駅員の疲れたアナウンスが静なホームに流れる。
《えー間も無く◯◯線のホームに通行列車が参ります。ご注意下さい。》
ホームの黄色い線の上で鞄から携帯を取り出す。
間もなくam0時になる。
4月2日…携帯の時計が日付の変更を示そうとした時
体が宙に浮いたようにふわっと軽くなった…
そして落ちる感覚
瞳には通行電車が映り
耳には電車のファーっというサイレンとブレーキ音
きっと間に合わない…
あぁ、駄目だ…
そして目の前が真っ暗になる。
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