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気がつくと目の前は真っ黒…
違う…
少し明るくなり改めて分かる。
室内は深紅。
振り向くと金属格子の扉の前にテーブルと椅子がある。
『いらっしゃいませぇ。どうぞお掛けくださいませぇ』
白い笑った仮面を付け、深紅のワンピースと帽子姿
白髪のセミロング位髪の長さだがおそらく若いであろう女性が変わった口調で話し掛けてきた。
促されるまま椅子に腰掛けると向かい側の席に
深紅のタキシード姿に左右別の表情の仮面を付けた男性が座っている。
男の仮面は右半分は白く笑っている。左半分は黒く泣いている。
同じように真っ黒な髪も右側は腰くらいあるだろう長さ…
左側は短髪のアシメヘアーだ。
不気味だが不思議と怖くない。
何故なら……
自分も仮面をしているからだ。
『いらっしゃいませ。ようこそ…"深紅のエレベーター"へ。
私は此所の主…名前は…んー』
男は少し考える素振りをして見せた。
『タロットと御呼びください。あと…』タロットが紹介する前に白い仮面の女が腹の辺りに両手を添えて頭を少し上げ
『ワタクシ、エレベーターガールのキャサリンでございまぁす』
とエレベーターガール独特の口調で挨拶をする。
二人に軽く頭を下げテーブルの上に目を向けると一枚の紙と深紅の万年筆が置かれている。
『こちらはお客人…貴女のご両親が六年前に書いた誓約書です』
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