エレベーターホール

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両親が無くなったのは9年前…… 正確には10年前になるところだった。 『お客人……貴女のお誕生日でしたね?』 タロットは首を傾げて確認してきた。黙って頷いた。 誓約書を手に取り内容を確認した。 ー誓約書ー 私白百合夫婦は娘紅麗に残った運命を譲る事を此処に誓います。 残った運命……? 意味が分からないと首を傾げているとタロットがククッと小さく笑う。 『人は一生のうちに果たさなければならない運命があります。 貴女のご両親はまだその運命が残っていたのにお亡くなりになられました。 そして……貴女の運命は本来今日で終わるご予定でした。』 タロットの言葉で少し理解出来たことがある。 『あたし……今日死ぬんだ。』 不思議と笑いがこみ上げた。 やっと終わる。 『お喜びのところ大変心苦しいのですが…貴女はまだ亡くなっていません。』 タロットの言葉に笑いが消える。 『ご両親がお残しになられた゛運命゛が残っております。』
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