始まり

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俺の名前は神野 武司。 俺の家は代々受け継がれている日本伝統芸能 能・狂言の名家。 もう300年は続いている。狂言の家に生まれたからには家を継ぐのが当たり前…… 3歳で初舞台を踏んでそれから毎日のように稽古、稽古の日々…… 小学生の時は友達と遊んだ事がない、遊ぼうとすると決まって母が迎えに来る。 いくら嫌だと言っても必ず母が「あなたは狂言をやらなきゃいけないのよ!あなたは狂言師なの!狂言師なら嫌だなんて言わないの!」 と言われた。 稽古を付けるのは決まって父。もしくは祖父。 ある日俺は無断で稽古をサボった。 サボった事に理由はない、ただ自由に普通の人になりたかったからだ。
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