「君が黒神めだかかい?」

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「今なら財布返すだけで許してやるけど…?」 捕まえた男に尖った声で言う。 「ちっ…わかったよ」 渋々財布を瑠花に返した男。それを確認して男を放すと走り去っていた。 「貴様の異常(スキル)…と言うのか?それは何だ?」 気になるわな。まあ、真面目に応えるわけにはいかんし。 「禁則事項だ。買いたい服決めてこい」 そう言って黒神を見送った。幸神は俺をじっと見つめる。 「何だよ?」 「夜樹っち仲良さそうだね。あの娘誰?」 ムスッとした顔で聞いてくる幸神。 「ただの知り合いだ。それよりいつも樹で良いって言ってるだろ?」 「むー瑠花って呼ぶまで妥協しないもん」 もんって可愛いわ…。そう思ってると黒神が何着か抱えて戻ってきた。 「樹よ、会計はどこで済ませるのだ?」 会計は流石に知っているか…。 「幸神、お前も服選んできていいぞ」 「えっ!?本当?やった!!」 服屋の奥のレジに行きレジ前で幸神を待った。 「お待たせー」 幸神が取ってきたのは白のワンピースとか藍色のカーディガンとかたくさん。 「まっそれくらい買うよな。瑠花…服をよこせ」 「うん、わかった…ってあれ?今瑠花って…」 やべえ、気付かれた。ノリで言ったらバレないと思ったのに。 「うるせえ。早くしないと買わないぞ?」 「それは困るよ!!買って買って!!」 幸神…改め瑠花から服を受け取り会計の吉田君に渡す。 「オヤ、坊ちゃんですかい?」 ちなみに吉田君は現在鷹の爪団とやらに入ってるらしい。 何なのか知らんが。 「さっさと会計済ませてくれよ」 「へい、了解です。……………18000円になりますね」 こんだけ買えば…そんくらいになるか。俺は1円玉をポケットから取り出して『全て下らねえカス』で18001円に換える。俺は今日1円しか持っていない。 「じゃあ1円のお返しです。あざっしたー」 強いて言うなら重いな。 「…昼飯にするか?」 二人の場所に言って提案する。二人は喜んで賛成した。さて何食べようか?
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