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生きてるってみんなどこで実感しているのだろう?
『なんで月輝姉に言われるままになってんだよっ?』
最初に裏切ったのは、君だった。
なのに、僕は君の裏切り以上に君を傷付けた。
『なんでかな?スキだから?』
『そんなはずないっ、だって流花兄ぃは和音のことを……』
その先は言うな。
核心に触れれば止まらなくなってしまう。
足元から崩れ落ちる。
膝を地面に付けて、首を垂れる。
許すのは僕のハズだったのに、僕は君に赦されたかった。
僕の片割れ。
もう一人の僕。
姉の月輝……。
「こんなとこでなにしてるの?」
「和音ーー」
見上げると月輝ではなくて、和音がいた。
相変わらずな笑顔で、首根っこを掴まれた。
「地面に座って汚いよ」
立たされるとキャンパスとは反対の方向へと歩かされた。
『ゴメン、とは言えない。けどさ、私は月輝で、アンタは流花。お互い別の人間で一つにはなれない。それにいつまでもあの時のことを仕方ないんだよね』
『っ。そんな僕をこんなにしたのにっ』
『責めてくれていいよ、ズルいってのもわかってる。私はアンタにそれだけのことをしたしさ。でも、もうアンタを傷付けるのは止める』
「ズルいよ、散々、僕を傷付けて」
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