第一章

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毎年恒例の九月のだんじり祭が終わり 街はいつも通りの田舎へと戻っている。 誰が言ったか 『祭りが終わったら寒なるなぁ』 の言葉通り少し肌寒い風が吹く。 スゥー...ハァー... 和恩が吐いた煙草の煙も この風に勢いよく流される。 和恩~すっかり秋やのぉ~ そう呟き深く煙草を吸い切ると 地面に捨て足で火を揉み消す。 横には 『"禁煙"学校の屋上は喫煙所ではありません!!!』 と書かれたポスターが貼られている。 和恩~こんなんあったっけ? 手作り感満載やんけ 先生らも暇人やのぉ~ そう呟きながら和恩は怠そうに歩き出す。 屋上を下るドアを開けると 誰かが勢いよく階段を駆け上ってきた。 双也~やっぱりここおったんけ!? トキ君ら呼んでんぞ!!! お前も和志も来よらんから 俺胃いたてしゃあないわ!!!~ 双也は和恩と目が合うなり 勢いよくそう言った。 和恩~何がやねん、邪魔臭いぇ~ 双也~邪魔臭いて、お前らが今日行く言うたんちゃうんかいや~ 和恩~それでも邪魔臭いもんは邪魔臭いわぇ ほでお前は何を焦ってんねん~ 2人はゆっくりと階段を下りながら会話を続けた。 双也~何をて、お前らがいっこもけえへんから 上の子ら、みーんなベジータみたいにおでこにしわ寄せてよぉ "はよ連れて来い"言うてんやし~ 和恩~しばいたったらえぇやんけ~ 双也~そういう訳に行くかいや そらそーと和志は?お前と一緒や思っててんけどなぁ~ 階段を下り終わると 2人は家庭科準備室へと向かい歩き続ける。 和恩~はぁ、お前は本間かいだるいのぉ 和志は知らん。 またピッピなってトイレこもってんちゃうか?~ 和恩は少しニヤけながら、そう言った。 すると双也も同じ顔になる。 双也~本間そうちゃうか? またどこぞで変なもん拾て食うたんやぞ、あのアホは~ 2人は笑い合いながら ゆっくりと歩き続ける。
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