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「ええ。
取材していく中で、あの事件がきっかけで姫無村が隠匿してきた過去の忌まわしい出来事が表に出て来たのだと聞きました。
それと、村出身者によると、姫無村そのものが神のような存在、意思を持っていると信じているようでした」
結城は再び杯を手に取ると、残っていた酒を飲み干しました。
「つまりは、あの土地にと言う意味ですが。
日本には古くから、土地神と言う考え方があるじゃないですか。
その類だと私は思っています」
「地主神のことだね。
民間信仰として、どの土地にも見られる」
裕輔は結城の空いた杯に酒を注ごうとしましたが、結城は酒を遠慮すると雅美の方に視線を移しました。
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