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「我々外の人間から見ると馬鹿らしいと思うようなことでも、閉鎖された社会で生きてきた者にとっては、それは真実になってしまう。
村の意思が何より絶対だった姫無村の村民にとっては、村で決められたことが即ち正義だったんだよ。
この町にしても、大した違いはない。
今や、地元民は姫無村の鬼伝説を信じて恐れている。
里の者も山の者も殺された。
次に殺されるのは誰だが分からないんだ。
噂話は膨れ上がる一方だ。
このままでは別の事件だって起きる可能性があるよ」
「鬼探し…… 」
雅美は結城の言わんとしていることを感じて身震いしました。
「今回の連続殺人事件によって、姫無村の鬼伝説がクローズアップされました。
あの黒い影も……
もしかしたら、犯人は敢えて黒い影を残しているのではないでしょうか」
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