死神

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急に恐縮がっている上内に、雅美は当惑していました。 「あの……刑事さん。 別に何か隠してる訳ではないんです。 京子のことも……私個人の意見でいいのなら、京子は人を殺せるような子ではありません。 小さな動物の命も尊く思える、優しくて思いやり深い子なんです。 けれど、それは私の主観ですから……それを口にしたところで何の根拠にもならないと思いまして…… 」 「そんな事はありませんよ。 本質を見極められなければ犯人は捜し出せません。 雅美さんは京子さんの本質を見極めているのですから、その考えは大事にした方がいいです。 私も雅美さんの本音を聞けて、とても参考になりました」 上内は、にっこりと微笑んで見せました。
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