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「うん。
最初は痛んで歩くのも辛かったけれど……
きっと、温泉が良かったんだと思う。
今朝起きたら、見違えるように痛みがひいていたの」
雅美はアツシを振り返って、ちょっと足を持ち上げて見せました。
「まあ、それなら良かったよ、うん。
俺も足は腫れがひいてきたし、もう松葉杖なしで歩かなくちゃ駄目だよな。
骨折してる訳でもないのに……情けないよ」
「無理したら、駄目よ!
アツシの怪我は打撲と捻挫と、それにその傷はかなり深くまで裂けていたんだもの。
無理して酷くなったら、また入院よ。
私の打撲と一緒に考えないで」
雅美の心配そうな視線にアツシは顔を赤らめました。
「分かった、分かった。
無理しない程度に動かすよ。
浅羽も、しっかり前向いて上れよ。
落ちてきたら、俺は支えられないからな」
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