五つ目の姫人形

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雅美は階段を上り切ると、急に足を止めました。 「アツシ……! 」 振り返ると、階段の手摺に掴まりながらゆっくり上ってくるアツシに、小さな声で呼び掛けます。 「誰かいる……社の裏。 向こうから回ってみる」 小さな声が聞き取れなかったアツシが首を傾げて見せると、雅美は社の右手を指しながら『向こうに行く』と口を動かしました。 アツシは事情が良く飲み込めないものの、頷いてみせると追いつこうと急いで残りの石段を上ります。 雅美は社の方を気にしながら、大きな音を立てないように歩を進めました。
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