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その人物から後光のように燃え盛る炎が見えそうであった。
「お、おくさん!
・・・これはだな」
奥さんはだんなちゃんに冷たく言い放った。
「仕事をサボって踊り子と旅ですか?
偉くなったものね。
家の収入の99.9%は私がまかなっているというのに。
あなたは稼いだ雀の涙ほどのお金も花の小路の為に使うというのね。
・・・桃絵、夜中にお外に出ちゃ駄目でしょ。
千火非ちゃんも。
さあ、行くわよ」
「待ってぇ!置いて行かないで!」
穴の中でだんなちゃんはもがいたが、奥さんたちは提灯の光と共に去っていった。
それからだんなちゃんはどうしたかって?
その翌日、そこを偶々通った私達、弥次と喜多によって運良く救い出され、萌屋に帰りましたよ。
でもだんなちゃんは罰として一週間で大工の仕事を百件こなしたと私達は聞きました。
弥次と喜多はこれからお江戸を離れますが、
皆さんはだんなちゃんをこの後もしっかり見てやって下さいな。
ではおやすみなさい。
子供達は桃絵ちゃんたちみたいにお出掛けせずに良い夢見るんだよ。
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