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君と取り巻きたちのお気に入りの密談の場所。誰も寄りつかない校舎の裏。いつしか僕は偶然を装ってそこを通り過ぎる。ほんの瞬間でもいい、常に君の存在を感じていたい。僕の視界に君が常にいて欲しい。
「おや? 委員長どの。こんな所に珍しい」
突然降りかかった君の声に、身体が震えた。固まって動けない。
「ここは委員長どのがいらっしゃるにはふさわしくない場所だぜ」
嘲笑のこもった君の声すら愛おしい。プライドも何もかも投げ捨てて、今僕にだけ注がれるその言葉を聞いていたい。
「ちょっと……隼。何してんのよ? 瀬川なんかほっといて早く行こうよ」
君の腕に当然の如く絡む君の彼女。鼻にかかったわざとらしい声がやたら耳障りだ。
「わかったよ、美咲。お楽しみはこれからだろ? 慌てるなって」
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