プロローグ

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『なあ、この署内にある0課って知ってるか?』 『知らねえ。何それ。』 『凶悪犯担当の課らしいぜ』 『そんなん存在するのか?』 廊下でこんな噂をしている刑事には目も向けず、歩き去って行く若い20代くらいの男。 すぐ近くにエレベーターがあるにも関わらず、わざわざ階段を使い下に降りる。 その階を突っ切り、今度は反対側の階段を上り、1番奥の〈資料室〉と書かれた扉を開ける。 しかし彼は資料を取りに来た訳ではなさそうだ。天井近くまで棚に積み上げられた資料には見向きもせずに部屋の奥へ。 そこには〈この先、立ち入り禁止〉と書かれた扉が。 彼はその中へと消えていった。 扉の向こうにあったのは地下に続いていると思われる階段。 カツカツと靴の音を響かせながら降りていく。 そして普段は開かれる事のない重い扉を開けた。
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