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「ここか……」
廃れた空き地、としか形容出来ない辺鄙な場所に俺、天上 討魔(あまがみ とうま)は立っていた。
人の寄り付かない荒廃したこの土地に来たのにはわけがある。パーカーのポケットから、一通の手紙を取り出す。
「これを翳せって書いてあったけど、どっちに向けりゃ良いんだ?」
右に左に、ダウジングのように翳しながら歩いてみるも反応を示さない。やっぱり悪戯だったのか?
そうである可能性が遥かに高いと知ってはいたが、落胆を隠せない。折角、覚悟を決めて来たってのに……。
その瞬間だった。手に持った手紙が、青白い稲光を放ったのは。
「うぉわっ!?」
驚き、手紙を取り落とす。不可思議な発光は、尚も激しさを増した。
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