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「だっ大丈夫だよ!!」
と言って、制服についた埃を払いながら立ち上がる。
「本当に?帰りのホームルームから寝ちゃってたけど。もう帰ろ、4時になっちゃうよ?」
「え・・・」
教室を見渡すと、もう私と愛華ちゃんしか残っていなかった。
時計に目を向けると、ピッタリPM4時を指していた。
「ヤバイっ早く帰ろ、愛華ちゃん」
私は、焦ったような顔をして愛華ちゃんに向かい言う。
「うん、そうだね!早く帰ろ!!」
あれ?
今の焦ったような顔、失敗したと思ったけど、騙されてくれた?
高校生活の表の顔は、どこか抜けている天然の優等生。
これは外面よくするための偽りの桜音 魅録。
素顔は、冷めた性格。この世の全てに絶望したような瞳。
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