Viper

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まだ子供だった頃、俺は怪我をした蛇を助けた。人間にいじめられたらしいその蛇は、腹から血を流していた。元気になった蛇を森に帰す時に、俺は「またね」と言った‥   「…おい」 「ん?」   突然、人の往来も気にせず辰人が俺を抱き締めた。殴られた頬を撫でられる。   「…悪い…お前が殴られて…見境付かなくなって…」 「‥それはもう良いから‥離れろ」 「…」   無言で俺の手を捕まえたまま歩き出す辰人は、多分笑っていた。   もう三年くらい前‥俺の家に転がり込んで来た辰人は、俺に会いに来たと言った。   -あの時「またね」と言った-   時が止まった気がした   理想が服来て目の前に立ったような感覚に
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