Viper

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「‥辰人」 「何だ?」 「‥何であの時俺の居場所が分かった?」 「…匂いだな」   適当に答えている様子ではない。   「匂いを覚えてた。怪我をした俺をだき抱えて病院に連れて行ってくれた匂い」   おぼろ気な記憶だけを頼りに俺を探し出した辰人。   「神様ってのは居る」   ポツンと呟いた辰人に俺は顔を赤くする。   「それは‥運命を信じてるってのと同意語だぞ‥」 「信じてるさ」   ‥神様   もしも居るなら   俺はあんたに願う   この蛇が   俺から離れないように   「辰人ー」 「うん?」 「ずっと一緒に居ろ」 「…そしたらペットから恋人に格上げしてくれるか?」 「‥いや、まだまだ同居人だな」   恥ずかしいから、恋人にするのはまだ大分先になるだろう。
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