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「……お願いだから頷いてよ。……幸せにするから。」
最後の方は少しだけ声が震えた。
なんだかヘタレ男のするプロポーズのようで笑える。
「きっとしばらく忘れられないと思うんだ……高岡くんは、それでも良いの?」
「良いよ。そんなの、全然良い」
君がいるならなんでも良いなんて、所詮子供の戯言なんだろうけど。
「……じゃあ私を、高岡くんの彼女にしてください」
今まで見た中で、一番素敵な笑顔で彼女は微笑む。
それだけで良いと思った。
幸せに出来るとか出来ないとか、重要なのはそんなたかが子供の陳腐なプライドじゃなくて。
守りたいのは永井さんの笑顔で、それだけで充分だ。
「…喜んで」
さぁ、恋をはじめよう。
例えば今日、晴れた日の屋上で。
-end-
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