プロローグ

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「弁護士ってそんなものなのか?」 「クライアントの利益を守るのが弁護士だもの。悪いことしたあの男にも守られる権限があるから仕方ないわ」 やっぱりこの女何者? 弁護士…じゃねえよな。どう見ても学生だ。 なのに、法律に詳しい。その辺を聞こうとしたが、女は話を進める。 「大丈夫よ。そんなこと言って来ても屈しないし」 「でも、それだとあんたが罪に問われる危険性があるんだろ」 「それとこれとは別の話よ」 毅然とした態度でまっすぐな視線を向けて来る。 改めて、勇ましい女だと思った。 「別じゃねえだろ。まあ、だけどそんなことにならないよ。訴える気はねえから」 「え?」 「俺のために、証拠の映像撮ったり、ここまで付き合ってもらったのに悪い」 「……」 「あんたに言われて考えた。俺は、ただアイツにムカついて怒鳴りつけてやりたかっただけで、被害届けとかそこまでする気はないんだ」 「ホントにいいの?後悔しない?」 「女だったら怖いとかあるんだろうけど、俺は男だからな。気持ち悪いってだけで、ヤローに尻撫でられたくらいどうってことない」
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