プロローグ

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「そういうものなんだ」 「少なくとも俺はな。さっきは、信じられなくて行動が遅れたけど、今度アイツ見かけたらブッ飛ばす!」 ふんっと俺は気合を入れた。 「されるがままになってるのどうしてなのか気になってたんだけど、そういうことだったんだ」 女がクスッと笑って言う。 「そりゃそうだろ。俺にあんなことしてくる奴がいるなんて思わねえよ」 「そう?意外とそっち方面でモテるのかも」 「やめてくれ。女にモテる方がいい」 嫌がる様が面白かったのか、女が可笑しそうに笑う。その顔が思いのほか無邪気に見えた。 勇ましい部分を見ていたせいかもしれない。対比した表情は愛くるしく心が和んだ。俺もつい口許が綻ぶ。 そして、今更ながらまだ礼を言ってなかったことに気付いた。 「そうだ。助けてくれてありがとな。あんた腕っぷし強いな。格闘技でもやってるのか?」 「昔、合気道を習ってた」 「合気道か。強いわけだ。でも、女なんだからあんまり無茶すんなよ」 女がいきなり目を見開いた。 なんだ? そう思った矢先、今度はプッと噴き出す。 え?おい、なんだよ。俺、変なこと言ったか? 「変わってない」 「え?」
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