プロローグ

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変わってないってどういうことだ? 「気を付ける。この映像はどうしよう?」 「え?――ああ、消してくれ。そんな気持ち悪い映像見たくもない」 「分かった」 女は俺の目の前で映像を削除した。 「なあ、変わ――」 「あ…急げば一限、間に合うかな。じゃあ、私行くね」 削除した際、携帯の時計を確認したのだろう。変わってないと言った意味を聞こうとした俺の言葉を遮って、そう呟いた女は立ち去ろうとする。 「え…ああ、悪い、時間取らせて」 「それじゃ」 「あ!待って」 そうだ、何か礼を。 そう思った時には、立ち去ろうとする女を引き留めていた。 「礼がしたいんだけど、携番教えてくれないか?」 女がびっくりしたように目を見開く。 「携番がダメなら、メアドでもいいんだけど」 まだ黙ったままだ。 「ナンパじゃねえから。純粋に礼がしたいだけなんだ」 俺、必死過ぎかな。言えば言うほどナンパしてると思われるかも。 そんな俺の胸の内を見透かしたように、女がクスッと笑った。 だけど、その後に続いた言葉は予想外だ。 「いいの?今、知ったら後悔するかも」 「え?」 「今度会った時、知りたかったらもう一度聞いて。その時は教える」 今度会った時?
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