19人が本棚に入れています
本棚に追加
―――――
二十四時を合図に、近くの観覧車の照明が消えた。
それを見た小坂はホテルを出る。だがわざわざエレベーターで降りて玄関を通ったりはしない。窓をそのまま通過すれば良いのだから。
小坂の居た部屋は九階。外へ出ると、ゆっくりとホコリのように降下する。
初めは空を飛ぶことも思い付かなかった小坂も、今では空を自在に移動出来るようになった。
目の保養にしては少し過激だったな。
ニタニタ笑い、寮へ戻る。その時、見慣れた人物が小坂の前を歩いていた。林原だ。
それだけではない。林原の隣に男が一人いるが、その一人は小坂を跳ねた潤だった。
何か話しながら、林原達はすぐ近くにあったコンビニへ入った。
どうして林原があいつと……?
少し気になった小坂は二人の後へ続く。自動ドアが小坂を真っ二つにするが、何ら問題は無い。
「林原さん。今日からしばらくはオレら、ビール買い放題っすね!」
「バーカ、何でビールだけなんだよ。他にも色々あるだろ」
「あはは。そっすね」
最初のコメントを投稿しよう!