不可視

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「くそが、調子に乗って退学されたてめえを、拾ってやったのは誰だと思ってんだよ! あ゙あ!? こっちは借金取りっていうこともバレる訳にはいかねえんだよ、クズ!」  次第に赤い水溜まりが大きくなる。そうか、林原は取り立てをする人間だったのか。それも職に就きながら。  息を切らした林原は立ち上がり、一度、深呼吸をする。  そうだ、こうしてはいられない、早く戻って警察に……!  我に返った小坂はその場を離れようとした。しかし、 「おい小坂。ちゃんと息子は始末して来たんだろうな」 「ああ……。今頃あいつの寝床は全焼だ」 (えっ……? 今、なんて) 「轢かれた恨みでこいつを刺殺。その後、無職の犯人は焼身自殺。金の入手と役立たずの始末、一石二鳥だ。 動機はちゃんと作ったんだ、ヘマしてないだろうな」 「勿論だ。私は父親だから寮へ行っても怪しまれないし、君の言われた通りの作業をした。ちょうど十分ほど前に発火した筈だ」 『そんな。それじゃあ、俺は…………死んだのか』          ――――――
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