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『薄氷~ウスラビ~』 ・表裏の世界に惑い、魂を求める恋愛アドベンチャーゲーム ・現実世界・倭伽(しずか)と、もう一つの世界・倭祇(みとりぎ)は表裏一体の世界。人々は互いの世界に魂の繋がりを持った人物が存在する。しかし、そのことを知るのは、倭祇の神である九尾の狐とそれに遣える者達のみ。倭伽では倭祇のことなどは、まったく知られてはいない。 ・六人の男性達は倭祇(みとりぎ)の自分を知ってしまい。現実との差異に悩み苦しみます。 ・主人公だけは、倭祇の魂とはまた別の存在として倭祇で実体化します。その為、主人公だけは外見もまったく違い、男性たちは…? ・主人公・黒澤 冰月(くろさわ ひづき)は倭伽の臥御 尾市(ふしおび)に住む少女。過去に幼なじみと共に両親を亡くし、現在は一人暮らし。臥御尾大学付属高校3年生。 ・冰月は冬の深まる日、臥御尾大学付属高校で日常を過ごしていた。 幼なじみとの登校、その親友とのお弁当の時間、校内での不良生徒との出会い、キャンパス内でのいつものお兄さんとの穏やかな時間、大学図書館の司書さんとの会話、下校中の他校生との出会い。 「真っ白な…狐?」 冰月をじっと見つめて去って行った、この狐。 その夜、夢をみた。 自分が住む所とはまったく違う世界の夢。昔の日本の様な場所。 そして、いつもとは明らかに異なる自分の姿。 呆然と座り込む冰月だったが、自分を呼ぶ声を聞き歩き出す。  真っ赤な鳥居と真っ白の狐。 「最初言っておかねばならぬのは、ここは夢でもましてや幻でもない。現実なのだよ、冰月」  真っ白な狐は、冰月に助けを乞うた。 「二つの世界の為、我の九つの尾のうちの七つを集めてくれ。この六人と共に」 彼の指す方に居るのは、一様に青ざめた六人の男性達だった。  私の知っている人達が、異なる雰囲気を持ってそこにいたのだ。  同じ過去を共有する幼なじみ  他のクラスの明るい男の子  一年生の金髪が良く似合う不良生徒  他校生のお兄さんの様な同級生  大学4年生なのにどこか幼さを持った人  飄々とした大学図書館の司書さん  魂が集っていた。  現実の魂と異世界の魂が混在していたのだ。 本来知るはずのない、倭祇の記憶を、倭伽の記憶を知ってしまった。  運命は狂いだす。
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