プロローグ

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  「いいじゃん、超可愛いじゃん」 「だろ? 俺マジで美的センス抜群!」 「なあ、君ちょっと遊ばない? 遊ばないっていうか遊ぼうぜ」 「え、い、いや、その……」 「おい、ここじゃちょっと目立つから移動しようぜ。いくら田舎町とはいえ、歩行者はゼロじゃねえかんな」 「そやね、じゃあちょっと移動しようか。ほら、早く早く」  取り囲む男たちに背中を押され、少女は逆らうことも叫ぶこともできずに、促されるままに裏路地まで連れ込まれた。 「ちょおーっといいことしようぜ。なあ、いいだろ?」 「ちゃんとゴム持ってるやついる? 俺いま持ってねえんだけど」 「じゃあお前今回カメラ役に回れよ。この子は俺らが美味しくいただいちゃうからさあ」 「いやいやいや、この子マジで可愛いからさ、俺この子だけはヤリてえわ。カメラ役とかいらなくね?」  普段の生活では一切聞くことのない単語の応酬から、少女は一つの連想をしてしまう。嫌な予想だったが、少女の置かれているこの状況から考えるに、まず間違いないだろう。
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