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「す、すいませんでした。あの、お金なら払いますから、だから、その……」
「ああ、いいよいいよ、お金なんて、君の身体で遊ばせてくれるならさ」
「ひゅう! 俺たちめっちゃ優しいなあおい!」
不良たちはげらげらと笑い声を上げる。
「さあてと……」
一人の男が少女の身体に手を伸ばそうとした。
「や、やめてください!」
少女は弾かれたように大声を張り上げ、男の手を払いのける。
そのまま続けて右手で掴んでいる通学鞄で男を殴りつけようとしたが、しかし。
「おおっとぉ、あんま調子乗ってんなよ、てめえ」
「おら、誰かこいつの口塞げよ。俺ちょっと車からタオル持ってくっから」
「うーっす、りょーかーい」
「むぐ……ッ!?」
少女の口が乱暴に押さえつけられた。抵抗しようと、両手をやみくもに振り回すが、それすらも別の男に押さえられた。
少女は足を使おうと思ったが、振り上げるよりも早く、
「おらよっと」
ごりごり、と少女の革靴が男の靴底に踏みつけられた。
踏みつけられ、尊厳を踏みにじられた。
苦悶に顔面を染める少女の口から声にならない悲鳴が漏れる。
もうどうにもならない。
非力な少女には、抗う手段が見つからなかった。
これから自分は服を脱がされ、身体を弄ばれ、この人たちの欲望を満たすために使い回されるんだ。嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ! 助けて! 誰か助けて!
少女の目の端から、生暖かいなにかがこぼれ落ちた。
水滴は頬を伝い、男の手に触れる。
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