流浪の君

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第弐部【SHERI・LINE】 私がこんな無法の村に 来たのには理由がありました。 あくどい借金取りに追われていたからです。 そいつらの名は    ~滅殺商会~ ハマーンの大陸。 ワイバーの大陸。 パストリカ諸島。 に続く四つ目の大陸… そう、ここが 科学大陸ラグーン。 それぞれの国には国任のギルドがあり、国交に関わる全てのことを任されています。 もちろん国任のギルドは実力で決まります。 だからこそ国任のギルドが暗黒秘密結社なんて ことがざらにあるのです。 ちなみに私も国任のギルドだから大丈夫だろうと滅殺商会に金を借りた犠牲者の一人です。 正直逃げ切れると思電車に無賃乗車し、 奴らを撒いたと思ってっていました。 でも私は分かっていなかったのです。国任とは国を相手にするのと同じことだと言うことを…… 意気揚々とラムダの村に入った所まではよかった…のですが、気付いた時にはもう奴らに囲まれかけていました。 そこからはなんとか逃げ出せたのに、迷路みたいな道のせいで袋小路に入ってしまって、 奴らの内の一人に、連行されそうになっています…… (私ってこれからどうなるんだろう) そんな私の絶望を感じたのか、奴は言いました。 「お前が悪いんだぜー。なにせ、恐れ多くも滅殺商会に金をかえさないで逃げたんだからな」 その言葉と今までの疲労のせいか、がくっと体の力が抜けたのをぼんやりと感じながら引きずられていきます。 借金取りに誘拐されるなんて、笑い話にもならない。 なんて、思ってしまうあたり私も大分いかれてきた証拠でしょうか。 「おーい、おまえら ちょっと待て。」 声が聞こえてきたのは そんなときでした。 私を含めて全員が 声の方を見ます。 背丈は私と同じくらい でしょうか、 黒髪と鋭い眼差しを パン屋の制服が 台なしにしています。 「おう、おう、おう、 兄ちゃんこの女の知り合いかぁっ?」 早速絡み始めた、金髪リーゼントを見て私は、 自分の状況を忘れて 青年が心配になりました.何てったって相手は 国任ギルド、一般人が 係わり合いになるものではありません。 まあ、青年は何も感じていないかのように、 リーゼントを無視して あくびをしていますが。
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