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マナサーチャーが示す方向へ向かう私達は、ミスト沼野を抜けて再び広大且つ雄大な草原に出てきました。
青臭い草の匂いが混じった風が気持ち……良くなんてありません、私こういう匂い大嫌いなんですよねぇ。
全部魔法で腐らせてやろうか。
……あ、そんなことしたら余計匂いがキツくなるだけでしたね、これはうっかりして――
「おい! 無視してんじゃねぇよ!」
「はっ? うるさいなぁ……。
これから1人漫才しようって時に」
「んだよ1人漫才って!?
寂しすぎるだろそんなもん!」
せっかくの1人漫才がベル少年に邪魔立てされました。
「さっきから呼んでたんだよ、ベルベル。
ガチャガチャと喧しい声で」
「喧しい言うな!!」
「事実でしょう、ノイズ人間。
ああ、それとも音割れスピーカーの間違いでしたか……ってどっちも似たようなもんでしたねぇ、あははは」
「貴様等ぁぁぁぁぁぁ……!」
うわ、顔が真っ赤。
まるで茹でたタコの如く、ベル少年の表情に怒りが満ちてきていますよ。
「えー、何を恥ずかしがってるんですか?」
「恥ずかしがってねぇよ!!
キレてんだよ、怒ってんだよ!!」
「なんでやねーん!」
「なんでやねんじゃねぇよ!?
つーかそのツッコミ合ってな……ってそういう話をしたいんじゃなーい!!」
ホント煩いなぁこの人……
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