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「まあそうなんだけどな……にしても、意外だな」
と、ロンの魔器を観察している最中、ロンが余り感情を含まない声色でそう呟いた。
「ん?」
「俺もローレンス嬢も魔器を持ってるから、ルイスも持ってるもんだと思ってたんだよ」
「そうか?俺は魔法の練習ばかりしていたからな。それが普通だと思っていた」
ロンのその言葉に、俺はそう聞かれた時の為に用意していた言葉を紡ぐ。
有り体に言えば、先程用意したばかりの方弁を。
…さて、その方弁を何故今使ったのかと言えば……俺は自分の魔器を所持しているからである。
ただ、それを明かすには不便があるので、それを用いるしかないのだ。
その不便の理由は、俺の魔器の能力にある。
…いや、能力もその理由の一つなのだが…一番の要因は他にある。
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