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キーンコーンカーンコーン…
その音は、私が聞き慣れてる、小学校のチャイム。
そのチャイムが鳴り終わると、一人の少女が私の元へ駆け寄って来る。
「菜乃ちゃん!!帰ろっ?」
駆け寄って来た少女は、笠原 亜衣(カサハラ アイ)という。
「亜衣…六年なのにまだ信じてるの?いるわけないじゃん、UFOなんて…」
私がそう言うと、亜衣は、反論する。
「菜乃ちゃん、わからないよ?今…私達を監視してて、紅羽 菜乃(コウバ ナノ)を捕まえろとか言ってるかも…」
いや、ありえない。
私が軽く溜め息をつくと、亜衣は慌てて他の話をし始めた。
「じゃ、じゃあ、黒猫人形は!?」
亜衣の口から出た単語は、思ってたのより(意外に)普通だった。
「黒猫の人形?それがどうかしたの?」
私が首を傾けると、亜衣は驚いたようだ。
「知らないの!?噂だよ!?」
まだ何人かいる教室で亜衣が叫んだため、数人が振り返る。
「亜衣、わかったから外で話そう。」
そう言って、教室を出て下駄箱に向かった。
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