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外に出たところで、私は亜衣に注意する。
「亜衣、教室で大声出さないの!話がしづらくなるじゃない!」
亜衣は、頭を下げて、誤り始める。
茶色の、胸元まである髪が垂れ下がり、お化けみたいになっている。
「ご、ごめんね、菜乃ちゃん…」
…ちょっと言いすぎたかな…?
「…いいよ。ちょっと言いすぎた。…で、黒猫人形って?」
少し気まずいので話題を逸らす。これで無言になったらやだし。
笑顔で亜衣は言う。
「黒猫人形はね、その名の通り黒猫の人形なの。それでね、黒猫人形は願いを叶えてくれるけど、その代わりに身の回りの誰かが死―…」
そこで亜衣は話をやめて、猫ちゃん!!と叫びながら猫を追いかけて行った。
実は亜衣は、大の猫好きで、前に藍(ラン)と言う名前の猫を飼ってた。亡くなってしまったのだが…
大体は猫を見るのが辛くなるはずなのだが、なぜか亜衣は、藍が亡くなった後も猫好きのままだ。
「仕方ないなあ…」
一人呟き、亜衣の後を追う。
その後私達は恋愛話をしたり、猫を追いかけながら帰り道の途中で私達は別れた。
「菜乃ちゃん、じゃあねー!!」
亜衣が手を振って帰って行った。
「あ、噂聞き忘れた…」
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