静宮 星

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「・・・今まで私と喋ってた・・・一緒にいたセイちゃんは本当のセイちゃん・・・?」 私はそう尋ねると 「それは本当だよっ!里美と一緒にいるときの僕はありのままの僕だよ!!性別は偽ってたけど・・・・・それは・・・・本当に本当で・・・・騙すつもりは全く・・・なかったんだ」 今にも泣き出しそうな そんなセイちゃんの気持ちが 痛いほど伝わってきた 「わかった、もういいよ。」 「里美・・・僕・・・」 「少し・・・いやかなり驚いたけどさ、例え性別が男だろうが女だろうが セイちゃんはセイちゃんだもんね」 入学式のとき 私に声をかけてくれた 笑顔が素敵なセイちゃんに変わりはない 「じゃあ・・・これからも友達でいてくれるの?」 「当たり前だよ!」 するとセイちゃんの瞳からポロポロと涙がこぼれ落ちてきた 「お前なー、男ならもっとシャキッとしろ!!」 男の人がセイちゃんの背中を強く叩く 「わっわかってますよ・・・」 腕で涙を拭い、そのせいで化粧はメチャクチャ そんなセイちゃんを見てみんな笑いだし その声は教室中に響き渡った
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