魔王のための魔界講座

3/17
前へ
/43ページ
次へ
「先ずは、シュラウスの知りたい事から聞いてくれ」 「なら、魔王補佐官がどんな仕事かを教えてくれ」 「解った。・・・魔王補佐官とは、次期魔王が皇魂門から生まれる時に抱いてる石が、魔王補佐官となる魔族の原形で、その名の通り魔王を補佐する事が仕事だ。 ただ、魔王補佐官は魔族としてはかなり特殊で、ありとあらゆる魔法や、膨大な歴史などの知識を生まれながらに持っている。 魔王と共に成長し、幼少期には教育係としても働くんだ」 「って事はお前もか。でも、最初は石の状態なら、いつ人型になるんだ?」 「気になるところはそこかよ。ま、人型になるのは出て来てから一年以内だな」 「ふぅん・・・。あ、前魔王が倒された時、魔王補佐官が生きていたら、その魔王補佐官はどうなるんだ?重複して任に就くのか?」 「いや・・・」 若干言葉を濁らせ、ラボスは目を伏せる。 「魔王が倒されると、魔王補佐官は如何なる状態であっても、消えるんだ。・・・直接的な言い方をすれば、魔王と同時に死ぬ」 「つまり、魔王と魔王補佐官は運命共同体か」 「そういう事になるな」 お前と運命共同体は大変そうだ。 そう呟いてラボスは失笑した。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加