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「次に聞きたい事は?」
「世界初の勇者と魔王の話。神話には出てくるけど、実際はどんな感じだったのかが知りたい」
「・・・ちょっと、精神的に重い話になるけど、いいか?」
「別に構わねぇよ」
「世界初の勇者・・・“ああああ”は」
「ちょっと待て!!」
「何だよ」
「何だよ、はコッチの台詞だバカ!!何だよ“ああああ”って!!」
「最初の勇者の名前だよ。それ以外に何があるって言うんだ?」
ラボスは、お前バカ?みたいな視線をシュラウスに向ける。
シュラウスは嫌な予感がして、聞いてみる事にした。
「・・・最初の、魔王の名前は」
「ヒッティーだったな」
「ヒッキー(引きこもり)に響きが似てるけど、“ああああ”よりマシか・・・」
「ヒッティー・S・ドェナンシーだ」
「Sって何の略だ?」
「サダオ」
「さっぱりダメなオッサンってか!?」
「いや、さっぱりダメな男の子だ」
「最初の魔王が勇者に負けた理由がよく解った・・・」
「二人とも自分の名前が恥ずかしかったから、後世の記述には名前が残って無いんだ」
「そりゃ恥ずかしいだろうな・・・。でも、魔王の方はSを抜けばいいんじゃないか?」
「ヒッティー・ドェナンシー」
「・・・何故だろう。早口で言われたら“人で無し”って聞こえたんだが」
「最初の魔王が自分の名前を残さなかった理由も解ったか?」
「ああ、嫌というほどな」
「それじゃあ、話を戻すぞ」
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