Ⅲ.共通ルート

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やりきれなさを感じつつ、帰路に就くジャンヌ。 亡き母の「いつも笑顔で」という教えを 心の中で唱えてみるが、それでもやはり今日ばかりは、笑顔になれそうもない。 とぼとぼと歩いていると、走ってきた馬車を避けきれず、尻餅をついてしまう。 そんなジャンヌに、眼鏡を掛けた青年が手を差し伸べる。 差し出された手につかまると、タイミング悪く、お腹が鳴ってしまう。 「お腹、空いてるのかな。よ、よかったら、これ」 そう言って青年はパンを差し出し、ジョルジュ・クートンと名乗った。 これから、孤児院の子どもたちにパンを配りに行くところだと言う。 大切なパンを分けてもらったことを 感謝し、帰り道を急ぐ。 家に帰ると、もらったパンをアンリと分け合う夕食。 そして就寝前の祈りを捧げる。 アンリと二人、こうしてなんとか生きてこられたことを神に感謝する一方、これでいいのだろうかと疑問を持つジャンヌ。 18歳になっても、この貧しい暮らしが変わるわけじゃない。 自分はただお金を稼ぐために、生きていくのだろうかと。そして、死んでいくのかと。 そんなことを考えながら眠りにつく。
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